この100年先進国のメンツはほとんど変わらない。
メキシコが消え去って、韓国がインしたくらいだが、韓国も100年前は日本領だったので変わらないともいえる。
そして今後も変わることはおそらくない。というのも、いま世界のシステムはアメリカのシステム上で動いており、このアメリカシステムの前身はイギリスシステムだ。
これはフランスやスペインが植民地との連合を維持できなかったのに対し、イギリスが、いまだにコモンウェルス(植民地主義最大級の遺産のひとつだが批判されることはない)を運営できている理由である。
また、オーストラリアやカナダは、いまでも「法令上はイギリス領」であるにも関わらず、「イギリスの国内法」が国際的な法(多くの日本人が勘違いしているが、国際法とは海外イギリス法のことを本来指すし、いまもその残滓は多い。決して中立的な法でも、国連による法でもなく、イギリスによる慣習法のことだ。これを守れというのは馬鹿だし、むしろ守らないという韓国のほうがある意味マトモである)として通用した結果、独立国として扱われていることとも似ている(逆に共産党の支配が及んでいないにも関わらず台湾が国ではないのと対照的)。
もしもカナダが完全な独立国なら、イギリス総督が赴任したりしない。
つまるところ、システムそのものが英米に支配されている以上、どんなにアジア・アフリカが発展しても英米支配のもとで発展するしかないのだ(科学や工学はその埒外なので英米を凌駕することも可能。ただし、科学そのものの規則、たとえばラテン語で生物名は命名する、というような西洋的支配はもはや拭い去ることは不可能だ)。
これまでの人類史ではいくつもの帝国があったが、それらは世界全てを支配するシステムをつくることはできなかった。これができたのはイギリスだけであり、国際会議でフランス語ではなく英語が使用されることが決定した19世紀末に完全にシステムは完成を見たといえる(フランスの敗北をもって、大英帝国の世界支配は完成したのだ)。
100年前にくらべ、現在のシステムは複雑である。
チンギスハーンのような豪傑が現れ、既存システムを破壊し、新秩序を打ち立てるというようなことはもはやできない。
覇権がたとえ中国になっても、中国は英米システムを使うしかない。そうなると、結局、アメリカの支配を抜け出せない。だからこそ、中国は鎖国的な政策をとっていて(為替や自由経済)、英米システムに抵抗しているように見える。無駄だ。
私はアラブ人には期待していたが、メッカやドバイを見るに、中国人より酷い西洋崇拝が見て取れる。
さらにいえば、何ら政治的経済的工業的にすぐれたところのないスペインの経済が韓国と大差ないのは重要である。これはイギリスシステムの根幹は西ヨーロッパシステムだからだ。
英米システムの利益は西ヨーロッパへトリクルダウンするようになっているのだ。
貧富の差においてのトリクルダウン理論は間違っていた(正解だと思うほうが頭どうかしているが)が、この場合はあっている。
私たちは「絶対に」西洋の支配から脱出することはできない。
そもそも日本政府を構成する要素はほぼすべて英米システムできているからだ。そしてこの英米システムを拒否する国は発展しない。
日本がG7メンバーなのは日本人の優秀さとかは何も関係なく、アメリカの属国で、アメリカシステムに強く組み込まれているからだ(戦前も同様。日本は戦争するまでアメリカの小間使いみたいなもんだったし、日英同盟という名のイギリスの下僕だった)。
韓国や台湾も同じ。台湾はいまはいないが、駐留米軍が存在した三国である。
だからアメリカの金融資産に投資するのは正解だ。
必ずあがる。たまには破綻もあるだろうが、全体としては絶対に上がる。
なぜなら、人類は今後アメリカシステムの上で生きていくしかないからだ。そういった意味では日本がアメリカにこびへつらい、国民の貯金や財産を嬉々として献上し、国家の主権も主張しないのは「金」のことを考えれば必然である。
反英米システムで経済的に上位の国はない。
しかし、ここで重要なのは人種は関係ないという話だ。勘違いしてはいけない。
今後アメリカシステムの運営者はWASPやユダヤ人ではなく、インド人や中国人になっていくのはわかりきっている(間違っても黒人ではない。ナイジェリアは発展するだろうが)。
しかし、それはアメリカシステムの変質を意味しない。
システムは不死だが、人間は交換するからである。
アメリカは永遠に大国であり続ける。イギリスも同じだ。100年後には黒人とアラブ人の国になっているかもしれないが、永遠に大国である。
西ヨーロッパのほかの国が大国であり続けるかはわからないが、トリクルダウンがある以上、決して貧乏にはならない。永久に上位国家として君臨し続ける。