憂邦烈士連合会@ソロプレイ

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日本はもう浮上できまい

 日本はもう浮上できまい。

 そう思う最大の根拠は、インフラやロジスティクス、ソーシャルな部分で他国にほとんど影響がないからである。

 確かに日本の工業製品や、BtoBデバイス、パーツなどは優れているかもしれない。しかし、これは明日から別の国の製品に変えると言われれば変えられないことはなく、科学は万人に平等である以上、絶対に日本人にしかつくれない工業製品はない

 欧州が落ちぶれても国際的に強い影響力を有するのは、インフラ、ロジスティクス、宗教などで他国を支配しているからだ。
 経済的にも軍事的にも欧州は凋落してしまった(中国の足下にも及ばない)が、こういった社会的な部分は明日から中国製に変えるから、とは言えない
 日本製品と同等品を中国人がつくることは可能だが、キリスト教の類似品をつくることは絶対に出来ない。

 たとえば、バチカンは世界中のキリスト教徒に絶大な影響を有しているし、中国でさえ在外華僑の共同体があるのに、日本にはない。神道は国外に何の影響も及ぼさない(国内ですらないに等しいし、宗教に限っても韓国には統一教会という日米でそこそこの影響を持つ宗教組織があるが、創価学会は海外での影響力はずっと小さい)。
 在外邦人をまとめるような大きな共同体はない。

 ドイツはDHLによって中東のロジスティクスに強い影響を及ぼしているし、サッカーも欧州が中東を支配するソーシャルツールのひとつだろう。

 最大は言語だ。

 なぜイギリスがいまだに世界中で強い影響力を有しているのか。それは言語インフラともいうべき英語の母国だからだ。
 一方、日本語はほとんど何の政治的影響も有していない。
 ラオスなどの近隣諸国の言語生活に影響を及ぼす観点から見れば、タイ語以下である。タイは言語インフラとして、ラオスを支配しているとも言える。

 マンガアニメ? エンタメはなくてもいいものだ。

 インフラとは言えない。

 インフラは社会を構成するために必要な要素で、簡単に代替できないものだ。

 日本の漫画が規制されても、生活が少しつまらなくなるだけだが、英語が禁止されると生活できなくなる国はいくらでもある。

 通貨の面でも、円は国内でしか通用しない。
 元は東南アジアで通用するし、ドルはいわずものがなである。ポンドも円よりもずっとインフラとしては強い。

 資源がないというのもつらい。

 資源は生活に必要なモノである。もはやこの世から石油をなくすことは不可能だ。今もインドルートで脱法的にロシアの石油を各国入手しているわけだ。
 宗教独裁国家サウジアラビアイスラム教国で最も女性差別のひどい国)の行為が許されているのも、世界第二位の産油国だからに他ならない。サウード家がやりたい放題してもいいのだ。

 欧州はどんなに凋落しても一定の部分から落ちることはない。
 これは世界のインフラのキャスティングボートを欧州が握っているからで、彼らはルーラーだからだ。SDGsLGBT、エコなんかもそうだ。
 ルールは彼らが決める。

 日本人は嬉々としてそれらを先進的! 素晴らしい思想! 世界標準として受け入れ、中国ロシアの基準を世界に反旗を翻す思想とさげすむ。

 しかし日本はルーラーの地位になく、欧州のルールで動くという点ではアフリカの小国と地位的には同じである。

 この欧州ルールに従わない中国、ロシア、イランなどを日本人は馬鹿にするが、社会的なインフラやルールを欧米人に握られることの重大さをわかっていない。ロシアはどうしても自分たちがルーラーでなければならないと思っている。
 そうしないと、前述の通り、アフリカの小国と地位的には同じになるからだ。
 イランなどはインフラに欧米の影響が強いだけに、一層、ルール的にはしたがわない意思を表示するのだ。

 日本はまだ国内インフラ、国内ルール(国際条約批准率は先進国としては恐ろしく低い)は自前だが、そのうち欧米インフラの前に屈服するのは目に見えている
 20年以内に水がウォーターバロン支配下に入り、通信がアメリカ資本になる。

 実際、今世界で最も重要なインフラであるインターネットはアメリカによって支配されている。
 そしてあろうことか、DNSの基幹サーバーがアメリカの次に多いのは日本である。アメリカのインフラに飲み込まれるのは時間の問題だ。
 ちなみに、基幹サーバーは中国にはない。

 GPS用の補助衛星を日本は嬉々として打ち上げているが、EUと中国、ロシアは自前の測位衛星を用意している。
 これは現在のルーラーでありインフラ支配者であるからこそEUは、新しいルーラーでありインフラ支配者であるアメリカを何よりも恐れているEUAppleやMSに独占禁止法を適用するのもそういうことだ。
 EUアメリカのインフラに乗っ取られないように、だ。

 かつて、世界の二大ルーラーだったソ連の残りかすであるロシアも同様の考えだろう。