芸術方面でAIに対する最大の牙城は小説である。
絵画は早い段階で制圧される。音楽理論で成り立っている音楽も時間の問題。
絵画や音楽は受け手が勝手に解釈してくれるから実はAIの自動生成で有利だ。
逆に、300ページに及んでほとんど破綻なく文章を構成し、ちゃんとつながる一連のストーリーを生成するのはかなり難易度が高い。
詩は短い上に、受け手の感性依存度が高く、音楽より早い可能性もある。
小説の制圧はかなり難しいと思う。
また、動きを有する映画、アニメも難度が高い。
一枚絵なら少々粗くてもいいが、24fpsを破綻なくやろうとするとAIでは難しい。
また、映画やアニメにはストーリーラインがあるし、言語性も低くはない。ただ小説のようにオール言語依存ではないので、ごまかしは効く。
AIが苦手なのは実は「現実」である。
そう、AIが一番苦手なのは繰り返すが「現実」なのだ。
現在のAIでは小学生もできる「おつかい」もできない。
ルートが決まっていればいいかもしれないが、全国津々浦々の「おつかい」は難しい。
正直、医者の診断をまねるよりもこどもの「おつかい」をまねるほうがAIには難しいのだ。
これは医者の診断が、医療機器を使ったもので、現実度が「おつかい」よりも低い点にある。
たとえばCT画像というのはあくまでもCTが撮影した結果で、あのようなものがこの世にあるわけではない。レントゲン写真も同じ。
「おつかい」に非現実要素はない。すべてが「現実」である。