日本のエンタメは死にはしないだろうが、今後は「日式」と呼ばれる何かになり、日本的ではなくなっていくだろう。
なぜか。
結局のところ、マーケットを意識した結果、欧米化が避けられなくなったことに尽きる。
日本アニメは結局ディズニーを殺せなかったし、日本のゲームもブリザードやEAを殺せなかったので、まあそうなる。
というか、半導体だって殺せていない。自動車産業もだ。
特にゲーム分野は著しく、もはやヒット作は欧米に媚びた洋ゲーと区別のつかないものとなった。
逆に欧米のインディーズが日式ゲームを作っている始末で、しかし、これはしょせん「マニア向け」でしかない。
日韓中は欧米の植民地にならなかったが、世界のほとんどの地域はその世界観や価値観がはるかに欧米化されていて、そこらに売るには白人的価値観を重視し、彼らが素晴らしいと褒めるものでなくては結局、売れない。
もはや欧米的価値観は世界標準であるから、この世から欧米人が絶滅して、いなくなったとしても、東アジア人とアラブ人とナイジェリア人にウケるエンタメをつくるには、それは欧米式エンタメになってしまう。
きっと、途絶えた白人のCGを使って主役にするしかない。
ついにポケモンも陥落した(ポケGOのこと)ので、もう終わりだろう。
ゲームは日本人が作るものも洋ゲーと区別のつかないものとなる。
一部マニア向けが残るかもしれないが、それらはHENTAIゲームと呼ばれるのだろう。
また、中国人が日式ゲームを作ってはくれるだろうが、あくまでも日式であって、日本のゲームではないだろう。
漫画は比較的今後も安泰だと私は確信しているが、アニメは駄目だろう。
3Dアニメはほとんどディズニー調だし、2Dアニメは結局、日韓中でしか受けない。
だから欧米マーケットを何よりも重視する日本のエンタメ界隈は2Dアニメを捨てるだろうし、大作はディズニーと区別のつかないものだけになる。
逆に、日本っぽい(日式)アニメは中国からやってくるようになる。少し前まではむしろディズニーのパチモンをつくっていた中国からだ。
特撮についても、ゴジラやウルトラマンも世界的にヒットするには白人主演でハリウッド映画でなくてはならないので、東映などはライセンスをハリウッドに貸し出すだけになる。
庵野がいかにすごかろうと、欧米では彼は売れない。
彼の作品が売れない理由をキリスト教的メタファーが多いからだという馬鹿な評論家がいるが、頭が悪すぎる。
世界中の人間が裕福になれば、アフリカや中東、東南アジアは遥かに欧米よりの価値観だから、欧米的エンタメ化は避けられない。
インドについてはわからない。あそこはあそこで、独自のワールドを展開していきそうではある。
日本アニメやゲームは世界中で受けいれられたが、それは結局、欧米人フィルターを通過し、欧米人がほめたたえたものだけにすぎない。
だから日本的なものが世界に拡散していくのではなく、逆に、日本が欧米化していく。
もともと、日本のアニメはディズニーの魔改造だったし、魔法少女ものは「奥様は魔法使い」のパクリである。
ゴジラも「原始怪獣現る」から着想を得たのは疑う余地がない。
しかしながら、当のディズニーのライオンキングがまあ、誰がどう見てもジャングル大帝のパチモンでしかないことからもわかるように、パクったかどうかは、そのエンタメが持つ「風土」とはあまり関係がない。
ライオンキングとジャングル大帝はストーリーライン、登場人物、設定、そのすべてがパクリでないと抗弁するのは不可能なほど似ているが、せりふ回しや何にフォーカスして語られているのか? という点は全然違う。
90年代はおそらく映画以外の日本産エンタメの黄金期だろう。映画はとっくに死んでいたからね。