憂邦烈士連合会@ソロプレイ

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資本主義的な正義をディズニーは失ってしまった

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 ポリコレだのLGBTだの、政治的だの、Wokeだの、問題はそこではないのだろうなと思う。
 資本主義的な正義をディズニーは失ってしまったってことが問題なのだ。

 早い話、「誰向けなのか?」ということだ。

 これまでのディズニー映画は、「誰向けなのか(想定視聴者)」がはっきりしていたように思う。
 しかし、昨今のディズニー映画は一体誰を視聴者に設定しているのだろうか。
 簡単な話だが、売れるとは、イコール需要だ。
 確かに「隠れた需要」というのはあるが、少なくともポリコレ的なものは「隠れた需要」ではなかった
 それはノイジーマイノリティにすぎなかった。

 アメコミがポリコレに走ったのも、先細りしていくアメコミ業界がすがった相手がLGBTだのポリコレだのだったのだが、そこに「需要」はなかった。アメコミ業界はなんとか新しい客層が欲しかったが、それは客ではなかった。

 最初からアメコミはオタクのものでしかなかったし、オタクたちが日本の漫画に乗り換えていっただけで、アメコミ需要はもうないのだ。

 さて、ラプンツェルを例にとると、Blu-ray特典映像のメイキングからもわかるように、20代30代の女性と幼児を対象にしている。
 実際、私の嫁はフリンとラプンツェルの関係を「大変よい」と言っていた。憧れるらしい。

 ラプンツェルもまあバトってはいるが、昨今のディズニーにありがちな男勝りに戦うヒロインなどというものを見たい層がいるのだろうか? SWのレイは人気ないだろう?
 SWファンは老弱男女、ダースベーダーがぬるぬる動いてるのを見たいはずだ。そういう意味でね、EP3が最高傑作だね。

 残念な話だが、女児も若い女性も、ブスな男勝りヒロインバトルは見たくないし、年配の女性はもっと見る気がない。
 韓流ドラマのほうがアメリカでも受けるだろうな、とすら思える。

 なんだかんだ韓流ドラマは年配女性の好きなドロドロがある。これは古今東西変わらない。

 カーズを息子が好きだが、韓国アニメのTAYOとか、しゃべる車は男児に圧倒的な人気がある。
 トーマスだってそう。
 逆に、最近の日本ではしゃべる車のアニメがプッシュされていないのではないか(NHKにアニメがあるけど、2Dじゃねえ。男児トミカは好きだし、昔からトーマスは三次元だったし、3Dじゃないとダメよ)。

 そんなんだから、TAYOに需要を食われる

 プリキュアは戦う女戦士ものだ。セーラームーンもそうだが、海外では女性解放のアイコンだそうだ。
 しかし、海外の大人たちの反応に対して、実際の視聴者である女児はバトルに興味がないのだ(関係ないからコスメを売る)。
 ではなぜ戦うのか。

 「男児向けの需要」なのである。

 たとえば、現在、男児向けの変身ヒーローもののアニメは現在存在しない。
 私も小さいころセーラームーンを見てはいたが、バトルシーンが見たかったのである。
 これはカードキャプターさくらしかり、怪盗ジャンヌしかりだ。

 プリキュアの後番組がライダーの時点で、あれは男児向けのバトルシーンだし、セーラームーンが大ヒットしたのは、当時の男児はだいたい口には出せなかったが、見ていたからだ。
 逆に、きまぐれオレンジロードみたいなのは男児は見ないのだ。

 ディズニーは映画なので、基本女性向けにつくられる。
 男性はデートで一緒に見に行くだろうから

 しかし、ラプンツェルのときはタイトルがあからさま(女子向け)だと男性が見に行きたがらないという理由から、Tangledという無味乾燥なタイトルだし、アナ雪もFrozenである。
 これは男性がデートで見に行きやすくするための配慮であるが、日本ではディズニーはほぼファミリー映画扱いなので、「あからさまなタイトル」に改題されている。

 別に、ディズニーは商業主義なはずで、というか、商業主義でなければならない。株主はそれを望んでいるはずだ。
 株主の望まない映画を作ることができるなんて、アメリカは本当に資本主義原理主義の国なのだろうか? 日本人は勘違いしていないだろうか。
 少なくともエンタメに関しては、日本のほうが受ける=需要目的だけで製作されているように思う。

 もちろん、ポリコレやLGBTに需要があればとやかく言うことはない

 が、実際にはないのだ。

 一番キレていいのは株主なのではないか??

 「隠れた需要」をさがすこと自体はおかしくはない。

 たとえば、漫画は本来男児向けだったのだが、リボンの騎士などの女児向けが開拓され、あしたのジョーのような大人向けも開拓されていった経緯がある。
 最近でも、百合は女性向けジャンルだったが、マリア様がみてる以降、男性ジャンルでも一般的になった。

 だからニッチ=ここではポリコレ的価値観が、一般化するという目論見のもとに作品を作った経緯もあるのだろう、とは思う。しかし、それは間違いだった。

 日本のアニメに黒人が出ない問題にしても、そもそもほぼすべてのアニメはこれまで国内需要しか想定してこなかったし、海外需要を想定しても、次にパイが大きいのは黒人ではなく白人なのだから、黒人の優先順位はさがってしかり、である。そもそも、黒人を出して売り上げがさがったら目も当てられない。

 まあ、ナイジェリアがアメリカ並になった暁には、黒人アニメも海外向けに作られるとは思う
 日本人は金のも亡者なので、黒人が金を持っているとわかった瞬間、手のひらを返して、内心では差別しつつも、お・も・て・な・しすることだろう。

 実際、中国需要が大きいことからなろう系アニメはアホのように作られ、国内では鳴かず飛ばずでも中国で大うけしてきた経緯もある。

 何度でもいうが、ディズニー史上最高の二次元アニメは「プリンセスと魔法のキス」だと何万回言えばいいのか
 で、主人公は黒人だぞ。ポリコレとかそういうことじゃあない。アニメとして出来がよければいいんだ。
 ポリコレが鼻につくってことは、完成度自体もさがっているのではないだろうか

 ジン・キムだってもうキャラデザやってないんだろう???