憂邦烈士連合会@ソロプレイ

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スシローと炎上

 スシローかはまずしだったか、醤油を舐めるとかレーンの寿司を触るとかで炎上している。

 まあ、バカッターが再燃しているというのも、こういうのはだいたい10年周期で、忘れられるからなあと思うのだが、最大の原因は、この回転ずしについては、企業側の合理化のせい、といえる。
 もちろん、最大の要因であって、炎上行為を個なった高校生が無罪という話ではない。悪いものは悪いのだが、誘因として、企業側の合理化という態度があるのは否めない。

 というのも、オッサン世代ならわかると思うが、むかしの回転ずしってレーンの真ん中に寿司職人がいて、そこで握っていた。だから、タッチパネルなんかなくて、直に注文していた。

 回らない寿司との違いは、寿司職人が注文がないときや、食材を使い切りたいときにレーンに流しておく、という点だった。シャリも機械ではなく、手で握っていた。

 今も小規模チェーンや個人の回転ずしはこの形式だ。

 私が小さい頃は地元には大手チェーンの回転ずし自体がなかった。あっても、地元の小規模チェーンだったので、基本的に上記の形式であった。
 で、この形式だと、店員が間近で見ているわけだ。醤油ぺろぺろなんてやる隙が少ない。
 動画を見ている限り、彼らは周囲をうかがってから炎上行為を行っているように見えるので、レーン内部に店員がいるだけで抑止効果は絶大であろう。

 しかし、そんな地元にも、今ではくら寿司やスシローができた。
 小規模回転ずしは一店舗を残してつぶれた。

 で、この大手チェーンは合理化のためにタッチパネルを設け、注文を自動化、職人はバックヤードでひたすら握るというシステムになった。

 どう考えてもこれのせいだ。

 また逆に、従来方式では客の側も店員を監視できた

 今は客側が炎上しているが、店員側だって鼻くそほじった手で握っているかもしれないが、客はそれを知ることができない。
 企業側としては店員の行為を客から隠蔽することもでき、大変望ましいシステムだろうと思う。一方、じゃあ、店員を野放しにしているのかといえば、厨房に監視カメラがついていたりする。

 セルフレジなどもそうだが、この過度な合理化は客側(あくまでも善良な客)に不利益をもたらす悪質な客の被害を受けるのは善良な客なのだ。店が最大の被害者ではない。
 特にセルフレジは最悪だ。
 本来店員がする行為を客にやらせる。客の負担だけが増え、割引があるわけでもなく、計算間違いやレジを通し忘れた場合、これもまた客の責任になるし、万引きの疑いすらかけられてしまう。
 ルフレジで客が得をする場面はほとんどない。(急ぎの場合は便利かもしれないが)
 得をするとすれば、最初から万引き行為をしようとしている悪質な客である。

 また、合理化されたから回転寿司は安くなったのかもしれない。

 が、スシローはネタがそもそもよくない。安かろう悪かろう、だ。

 合理化してその分、客に還元されているのか? というのはあやしい
 この30年、一貫して日本の経営陣の報酬は倍々ゲームで増えているし、大手チェーンが全国を席巻するのは、金があるからだ。
 回転資金なくして出店はできまい。銀行だって、経営の悪いところに貸すまい。

 つまりは、合理化して利益が増えているだけで、従来の方式でやっても、実際に出されるメシは大差ないのではないか? そういう疑いがある。
 企業の合理化は、経営陣の報酬と株主の配当に消え、従業員の給与は増えず、客に不利益は増える。

 実際、地元で唯一生き残った一店舗は、職人がレーンの真ん中で握る形式で、100円皿から500円皿まであって、まあ、100円皿なんてたまごくらいだが、いつも満席である。

 なんでかって? ネタがいいのよ。
 とにかくうまい。

 また地元の回転寿司はつぶれたが、回らない寿司屋は何件も健在で、つぶれていない。それに値段も別に高くない。回らない寿司もランチなら1000円で食える。

 合理化ビジネスの先にあるのは、客の損だ。

 客が損するから企業はもうかるのだ。逆は絶対にない。そういう店はつぶれる。
 だから地元の回転寿司はつぶれたのだ。

 一方、設備投資がほぼなく、店員も少数でいい回らない寿司が生き残ったのは皮肉である。
 奮発して寿司、なら回転寿司という時代は終わったのかもしれない。ネタも悪い回転寿司で食うくらいなら、回らない店に行ったほうがいいだろう。案外高くないものだから。