私はずっと前から韓国映画推しである。
韓国映画の魅力はとにかく最後まで展開が読めないことである。
邦画やハリウッドと違い、ヨーロッパの映画と同じで「主人公補正がない」のだ。
もちろんハリウッドも面白いものはあるが、昨今はヒーローものばかりで何が面白いのかわからない。
スパイダーマン一作目はよかったけど、スパイダーマンも仕切り直ししてからはつまらないしね。X-MENなんて小柄な爺さんをいじめる映画(マグニートー)かよって・・・。
アメリカ映画で面白いというか、圧倒的だなと思うのはディズニーで、計算されつくした映画だと思う。
実写と違い、アニメは100%計算できるからだ。正直、文学性を加味すればそうではないといえるが、エンタメ性のみで考えた場合、日本のアニメはディズニーの足元に及ばないと思う。
アメコミヒーロー映画は日本の低予算コスプレ映画と同類なので、個人的には、アニメのほうが日米の戦力で差があるとさえ思う。
ハリウッドもまともなSF映画は下火でコスプレ映画ばっかりだし、邦画と変わらない。インターステラーとかも白かったけども。
アメコミヒーロー映画なんて仮面ライダーの映画と同じだよ。
幼稚だと思うけどね。
昔はソイレントグリーンだとかエイリアン、未来世紀ブラジルだとか新しいのだとアイランドとか、アバターとか、ソラリス(監督がつまらない映画としてつくったロシア版の話はするな!)とか、SF映画はハリウッドが圧倒的だったんだけどね。
もう死んだよ。SF映画は。
SF映画が死んだ今、ハリウッド映画の魅力はすこぶる減退した。
私にとって、ハリウッド映画=SF映画だ。
名作がある。マイノリティリポート、ガダカ、猿の惑星、ブレードランナー、2001年、いくらでもある。
欧州映画は邦画よりも先に死んでいるので、もう語るべくもない。
ただやっぱり情緒映画になると強いよね。欧州のほうが。
で、韓国映画って情緒的なんだよ。
われわれ日本人には韓国も異国だけども、欧米の情緒よりもお隣の国だからずっと刺さる。似ているんだよ。やっぱ。
宗教的、人種的、地理的、言語的に二番目に近いんだから(一番目は民族としての琉球人)。
台湾映画もそう。
ハリウッド映画の情緒が一番遠い。インド映画は知らない。
邦画も情緒方面は強かったのかもしれないけど、ハッピーエンド至上主義みたいなのがあって、そのせいでせっかくの情緒性が失われていたり、アイドルキャスティングのせいで演技や雰囲気が情緒性を破壊していたりして、ダメなんだよね。
韓国映画は普通に小汚いやつが主人公でてきて、ヒロインも不細工だったりして、韓流アイドルなんてほとんどいない。映画と芸能はある程度切り離されている。
これは良くも悪くも韓国がプロフェッショナリズムの国(悪くいえば学歴社会)のせいだろう。映画のプロと芸能のプロは違う、というわけだ。
日本ではそこが混然一体となっているし、映画監督は別にプロではなく、コネで任されたような人物が演出をする。キャストも同じ。
邦画はもはや完全にドラマの延長線上にある。
実写唯一の興行収入トップテン入りをしている邦画が、「踊る」だってことが端的に示している。
そのくせに、映画関係者って役者も監督もみんな偉そうで、腹が立つ。才能もないやつが偉そうにしているのって、不愉快だよ。
話が脱線したが、韓国映画っていうのは、ちゃんと映画が先にあって、つくられている。
日本の場合、映画産業はとっくの昔に死んだ(庵野頼みの特撮とかくその極み)ので、広告代理店主導だもん。ここがダメ。監督自身がお雇いばっか。
だから新海誠みたいな、どこの馬の骨のアニメにやられるんだよ。
アニメ映画が強いのは、広告代理店と枕営業でずぶずぶの芸能界と映画界と距離のあるアニメ業界だからだと思う。
コネが少ないから、才能が集まる。当然の話。