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インドの古代思想家アジタ・ケーサカンバリンは世界はよっつの元素で出来ていると考えた

 インドの古代思想家アジタ・ケーサカンバリンは世界はよっつの元素で出来ていると考えた。地、水、火、風である。

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 彼は霊魂を否定し、ヒンズー教に対立した。
 ブッダと同時代人で、ブッダヒンズー教に対峙したので、当時はヒンズー教の権威に対するカウンター思想が多かったのだろう

 で、アジタの思想はギリシャの思想家に似ている。

 エンペドクレスが教科書に出るほど有名なので、世界の元素を考え出したのはギリシャ人だと思いがちだが、恐らく違う。アジタの方が先だ。

 いやエンペドクレスの思想がインドに伝播したのだと、意識的にせよ無意識にせよユーロセントリックな世界のほとんどの人々は言うだろうが、アジタはブッダと同時代人なのでヘレニズム以前である。

 また、中国の五行説は前三世紀頃に初出らしいので、インドから東西へ伝搬したと考えるのが妥当だろう。

 零の概念がインドから東西へ伝播したのと同様だ。

 もっとも残念ながら、アジタの思想は後代にほとんど伝わらなかったので詳細がわからない。

 しかし、これはエンペドクレスも同じである。彼を偉大な思想家だ! とユーロセントリズムはいうが、彼の著作はほぼ現存しておらず、アジタ程度のことしか私たちはわからないのだ。
 それを教科書で教えるから、ギリシャだけが民主的で進歩的な哲学世界を作ったと勘違いするのだ。

 そもそも、古代ギリシャの思想なんてのは後代にはほぼ伝わっていない。

 ギリシャ哲学すごい! というよりは、単にアリストテレースが異様なほど古代人のハートをわしづかみにしてしまい、世界中で今も参照され続けているだけだ。
 古代中国で百花繚乱だった思想が、結局孔子学派以外はほぼ絶えてしまったのと似ている。

 アジタだって、ブッダの思想のまえに教団は続かなかった。

 そのブッダの思想も北インドではイスラムに追われていく。
 もしブッダの思想が東進していなかったら、ブッダの思想も多くが謎になっていただろう。しかし、運良くブッダの思想は中国やチベットなどで温存された。

 アジタの存在を教えないのなら、正直、教科書で教える次元にあるギリシャ哲学者なんぞアリストテレース以外いない
 ソクラテスプラトーンもほとんど何の影響も世界に与えていない。まあ、彼らはアリストテレースに影響を与えたのは事実ではあるが、直接的な影響はほぼ0と言っていい。

 諸子百家にしても、のちに大きく社会に影響を及ぼしたのは儒家道家、法家しかない。
 法家の思想は漢代前半で絶えてしまうが、秦という中国という概念を確立した王朝の基本理念であったので重要である。