ジャニーズもそうだったが、「これで謝罪した気になっている」ことが恐ろしい。
ジャニーズなんて、危機管理対策No1とかいう弁護士でアレだった。
いかに上級国民やメディアの世界が、一般人からしたら異様な世界かわかろうというものだ。
ビグモもそうだったが、この国では「弱いものは人間とはみなさない」という思想が通底している。ビグモ経営陣は、保険会社という巨大な組織と組んでいたわけで、絶対に逮捕されるわけがない。
いじめ被害者が反撃した瞬間、とんでもない悪党呼ばわりするのもそうだろう。
そう、この国には太古から「革命」がないのだ。
弱いものが強いものになる、という革命がない。明治維新も革命ではない。一般市民は蚊帳の外で、中国の黄巾の乱とか太平天国の乱みたいな大衆蜂起ではない。フランスにおけるフランス革命のようなものでもない。
大化の改新も、単なる権力者の間の政権交代にすぎない。
ゆえに、この国では「内部告発」がとんでもないデメリットなのだ。
ジャニーズもだんまりしているし、宝塚も有名どころはだんまりだろう。
というのも、内部告発=革命を起こして新しい政権を、みたいなのよりも、既得権益に寄り添い利益を得るという選択肢をほとんどの人間がとるため、内部告発は叩かれ、悪事はそれに加担していなかった組織の人間たちも隠蔽側につく。革命なんてしないのだ。
欧米でデモやストがもりあがったりするのは、一般人が弱者側につくからで、日本では上尾事件のような異様な事件が起こる。
これ世界史の教科書に乗せるべき世界史的にも異様な事件である。
単に会社に間に合わないという理由で数千人の人間がストをする国鉄の駅を襲うというもう、意味不明な事件なのだ。
なぜこうなるかといえば、会社に遅れると評価が下がるからで、それはまさに自己の利益しか頭にないのだ。労働者全体の利益なんか頭にない。
だから、日本では民間の労働組織や運動が単発ではなく、長期的にもりあがったことは一回もない(学生と公務員だけ)。
いじめ被害者の反撃も革命みたいなもので、だから蛇蝎のように嫌われる。
この国に世界でも稀な特徴があるとすれば、「異様なほど庶民が権力者に寄り添う」ということだ。
だから自民党は何をしても票が減らないし、政権交代した民主党はたぶん何をしても叩かれた。
なぜなら、革命=政権交代=悪だからだ。それは社民党連立もそうだった。政権交代した時点で悪になるので、必ず自民党に戻る。
過去に独裁者がいなかった、というのも、「庶民が従順なので独裁者のような苛烈な支配」が不要なのだ。
民主主義もおそらく、世界一向いていない。
社会主義も向いていない気がする。なにせ、どの社会主義国も、平等を政府が国民に強要する形だったのだが、日本の場合、国民がお互いに足を引っ張り合い勝手に平板化し合うというもの(その間に上級国民は利益をむさぼる。プーチンのように強権をもってむさぼるものではなく、裏で勝手にやる。批判はされるが、一年もすればみんな忘れる)で、およそ別ものだ。
コロナでも、国は強制しなくても、国民がお互いに監視し合い、攻撃し合い、日本マンセーを始めるので、ロックダウンをする必要性すらなかった。
日本を理解するワードはわびさびでも恥でもなく、「ズル」である。
この国では「ズルい」こそが最大の国民のメンタリティだ。
おそらくこの国最大の悪は、「既得権益や権力に逆らうこと」であって、これ以上の悪事はない。
だから、アメリカ出ていけといえば、親の仇のように叩かれる。
アメリカは絶対的権力だからだ。
アメリカよりも韓国を忌み嫌うという意味不明な行動も、弱いやつをたたくという国民性ゆえだ。
日本と韓国以外の国では、人前で叱責すると、あとから反撃される。これは人間の尊厳を傷つける行為とされている。
日本ではそうはならない。部下や後輩は弱い立場なので、「逆らう権利」がないのである。
問題なのは、弱者側もそう思っていることである。
世界では、弱者だろうが何だろうが、尊厳破壊に対して反撃する権利を有すると思われている。だからこそ、強い立場の人間は強権的になるし、弱い立場の人間も革命の正義は我にあると思っている。
日本では弱い立場側の人間も強い立場の人間に対して反抗することは悪いことと思っている。
だから、すぐに出羽守が出てくるのもそうだ。
欧米という虎の威がないと、弱いやつが喚いているでしかないからだ。