私がヨーロッパ人の気に入らないところは、いまだに自分たちが世界の支配者――ルーラーだと思っていることだ。
ロハス指令だとか、ISOとかそういうのだよ。気に入らないことがあればマイルールを世界に押し付ける。
で、日本人は欧米がルーラーだって思い込んでいて、それに挑戦する気もないし、それが「常識」であり、そもそもルーラー=欧米しかありえないと信じ切っているので、ルール変更すんなカスともいわず、自分らでルール設定もせず、従順に従っている。
国際法がいい例だ。あれはイギリスのルールであって、別に世界で採択されたルールでも何でもない。
で、中国人はそのあたりわかっていて、俺はてめえらのルールには従わない! というときがあり、名誉白人の日本人はこれが気に入らない。私と逆なのだ。私は欧米のルーラーっぷりが気に入らないが、多くの日本人は絶対的ルーラーの欧米に逆らう中国人が気に入らない。
なぜなら、日本人は世界で一番従順で、強いものが大好きだから、欧米ルール=アメリカは最強なので、強いやつに逆らうなんてケシカラン! と思うのだ。
が、最近はだいぶ中国嫌いが減ってきた。
まあ、そういうことだよ。強いもん中国。
昔は技術がーとかいっていたが、EVとかドローンとかはまずい。ドローンなんて、中国、アメリカ、トルコが最先端で欧米と日本は置いていかれている。
EVはつくれても内燃機関は作れない! とトヨタageするネトウヨはウヨウヨいるが、これこそ日本が来た道だ。
戦後の日本を支えた産業のひとつに光学機器があり、その一つがカメラだが、日本人はどうしてもライカやツァイスといったドイツ製のレンジファインダーに勝てなかった。そこで一眼レフの製造を始める。
当時の一眼レフはまだほとんど未開拓の分野だったし、みなレンジファインダーの時代が続くと思っていた(ドイツ人はまさか後進国の日本が自分ちに勝てるとは毛ほども思わなかった)。
しかし、1970年代になるともはや一眼レフの有意性は揺るがなくなり、あわててドイツメーカーも一眼レフに乗り出すが、すでに手遅れ、ライツ社は倒産する。
これと同じだ。確かに中国は内燃機関は弱い(戦車、高級車用途のものは昔から製造していて、まったくつくれないわけじゃない)。だからこそ新しい分野のEVで勝負するのだ。
ドローンも同じだ。これまで存在した内燃機関のラジコンヘリの置き換えになる。モーター制御でマルチコプター、電子制御を搭載したドローンは、農業用途、空撮用途といった既存の需要にも利用可能なのであって、何もドローンの空中花火みたいな新しい用途だけに存在するわけじゃない。
これまで農薬散布や空撮には熟練のオペレーターが必要だった。また、燃費も高かった。しかし、電気駆動のドローンは燃費もいい上、GPSでソフトウェア制御するので熟練のオペレーターが要らず、人件費が格段に安くなる。
そのうち建築機械、クレーンやショベルもドローン化すると思うが、一番重要なのは人件費だ。重機のオペレーターは技術力で、原発のような大量の巨大重機を使う現場だと全国から集められる。それくらい需要がある。そして、人件費が高い。一日3万円以上だ。ジブクレーンなんかになるともっと高いだろうし、トンネルジャンボのような特殊機械だともっと高そうな気もする。
重機レンタルでもこのオペ代が本当に高い。
一般住宅でさえ、経費の半分以上が鳶や大工の人件費と言われている。ドローンはこのあたりの置き換えになる。
逆に、掃除用ドローン(ルンバのようなもの)は普及しないだろう。おばちゃんの人件費は安いからだし、ますます安くなっていく。