ナイジェリアのボコハラムの話をきくと、アフリカは後進国だと思う日本人が大半だが、ナイジェリアは21世紀後半にはGDPトップ10に入ると目されているし、実際そうなるだろう。
ボコハラムみたいなのがいるのに? と思うのは、日本人だからだ。
貧困の差、治安の差、というのはどこの国でも地域によって雲泥の違いがあるものだ。日本がないのが異常なのだ。
アメリカも、貧乏人はとんでもなく貧乏だ。一方、一部の金持ちは国家予算級の財産を持っている。
中国なんかもそうだ。雲南の奥地と沿岸部の大都市では別の国のようなものだ。山岳部ではいまも女性は民族衣装を着て、伝統家屋に電気も通じていない場所に住んでいたりする。
ヨーロッパもそうだ。
イギリスやフランス、ドイツあたりは日本と同じく、さほど貧困の差がないし、少数民族などいないが、スペインやイタリアになると話が違ってくる。貧乏人はバラックのような家に住んでいるし、治安の悪い地域はすこぶる悪い。
治安で言うと、アメリカの場合、お金持ちの住む町の治安は世界で一番安全だ(日本よりもずっとだ)。
しかし、貧乏人の町はアフリカの治安の悪い都市並みに悪い場合さえある。
逆に中国は、アメリカほど治安の差はない。これは共産党が強権をもっているからだ。独裁国家は実は全国的に治安がいい。
一方、日本の場合、治安の地域差がほぼないし、貧乏人と金持ちの軒先が隣り合っていることも珍しくない。田園調布とかそういう金持ちだけの街もあるが、全国的には多くない。
また、日本は世界で一番生活保護が充実している。
なにせ「現金」を渡しているのだ。最低限の生活のためなら「現物支給」が妥当だと思うが、そうはなっていない(後述するがこれには理由がある)。しかも、あろうことか低所得者層の所得よりも生活保護費のほうが高い。
給付額のような高さと簡単な受給条件。これが日本の治安がよい理由であり、貧乏人が金持ちの家の隣に住んでいる理由である。市営住宅は発展の結果、町の中にあったりすることが多いからだ。そして市営住宅はシングルマザーと貧乏老人の巣窟である。
通常、所得を得ている人間の収入が生活保護を受けている人間の保護費を下回るということは世界的にはあまりない(当たり前の話だが)。イギリスの場合、子供手当てが大きく、これで高収入になるケースはあるが、生活保護ではない。
言ってはいけないことではあるが、これは肌感覚で皆がわかっていることだ。収入のない人間はろくでもない人間である。犯罪者またはその予備軍である。
だから、そういった世帯に保護費として金を渡し、その金でパチンコにいかせ、酒を買わせ(女もだ)、町の中の広い市営住宅に住ませる。こうしておけば、彼は満足し暴力事件や窃盗事件を起こしにくくなる。
そして、育児ノイローゼになると虐待、最悪の場合、子殺しをするかもしれないので、優先的に保育園に入れる。もちろんタダだ。結果的には低所得者層の子供ばかりが増えているが、これはこれで問題になるだろう(学力低下は学力の低い遺伝の影響があるかもしれない)。
だから、日本は低レベルの人間には非常に住みやすい国だ。犯罪者予備軍に中流並の生活をさせることで治安を保っている。これをよしとするかしないかは価値観による。