今思えば、ガンダムSEEDも結構場当たり的というか週刊漫画的というか、話題優先だった気もする。
まあ、当時はBBS主体だったけどネットはあったし、普及率も50%超えていたから織り込み済みだったのかもしれない。
水星は完全にSNS受けを狙った場当たり的展開が多かった。
で、SEEDでも、登場する何週もまえからOP映像に敵キャラを出したりしていた。
ただ演出自体はいい方向に機能していたように思う。
たとえば、ダガー初登場シーンだ。
ナチュラルの乗ったダガーがコーディーのMSをどんどん撃破していくシーン。盛り上がった。
いかにガンダムが強い(ガンダムのノウハウをフィードバックしたのがダガー)のかが間接的に描写されていたと思う。
その点、水星はガンダムの強さが最後までよくわからなかった。なにがすごいの? って。何を恐れるの? って。
OS書き換えでストライクが起動するシーンもよかった。
ナチュラルはハードウェアはいいものがつくれても、ソフトウェアがgdgdだったというコーディーが全部において勝っているわけではない点もよい(キラがチビだったりね)。
確かにバンクや無駄な尺も多い作品だったが、ちゃんと引きに対して次回で回答があった。
水星にはこれがなかった。
いつの間にか地球寮と仲良くなったり、株式会社ガンダムとは何だったのか最後までよくわからないし、4号が死んだ理由も回想シーンも意味不明だったし。
グエルの葛藤も何も解決しないまま物語は終わる。
SEEDも説明不足が多いのは確かだ。
設定周りは??で終わった部分も多い。
でもちゃんとストーリー自体にはケリはつけた。
アスランと父の関係も、サイとキラの確執もケリをつけた。
またカズィのような一般人の視点や、葛藤も描いていた。カズィとトールの対比はよかった。
アズラエルのような魅力的な人物もでてきたし、各陣営がちゃんと考えを持って行動していた(ラクス陣営が脳みそお花畑なのは事実だが)が、水星は結局誰が何をしたいのか最後までよくわからなかった。
多分、何もなかったのだろう。制作者のあたまの中にさえ。
ガンダムシリーズで一番完成度が高いのはGガンダムである。
ほころびも破綻もなく、完璧にできているのでスピンオフや続編があるらしいが、Wのようにヒットしていないのは、本編の完成後が高すぎてつけいる隙がないせいだろう。
各キャラクターの行動原理、設定と話の流れ、ラストシーンまで破綻がなく、完璧である。
そのせいか、ちゃんと視聴しいない読者がドモンを熱血漢と勘違いしているが、結構ダウナー系だし、話はかなり暗いところも多い。
ただ人が死んでシリアスぶってるVとかと違い、がちでシリアスな話なんだよね。
Gがしっかりしているのはガンダムファイトとデビルガンダムに纏わる物語をちゃんと同時進行かつ絡めて一本の物語にできていた。
水星は学園と戦争がブツ切りなせいで、2クール目では各キャラの人格が破綻してしまった。
過去に描いたが1クールの最後のセンセーショナルさ、話題作りのために、スレッタの性格や行動原理を改変してしまったことが私の視聴意欲を大幅に削減した。
名作になるかと思われたが、駄作だった。
G、X、種このへんは物語に破綻がなく、キャラクターの性格や行動原理も破綻がない(Wのように始終意味不明なのはのぞく)ので安心して評価できる。
水星を見るとダリフラを思い出してしまう。
食材は一級だった。キャラデザも作画もよかった。メカニックもよかった。設定もよかった。中盤までの流れもよかった。しかし、そのあとが、悪臭漂うゲロだった。