水星の魔女、面白かった。第一話のわくわく感がSEEDの第一話をみたときのようだった。面白いアニメは第一話から面白いか、または面白くなくても妙にインパクトが残るものだ。
私を殺しにいらっしゃいのインパクトには勝てない(勝てるアニメ自体がほとんどないとは思うが……)が、パンチのきいた導入であった。久々に期待できるTVシリーズだ。
最初はGレコみたいでダサいと言われた主人公機も、あのかっこいい戦闘シーンのせいか品切れ高騰している。私もそうだ。プレではダサいと思っていたが、実際に見たらかっこいい。
ターンエーガンダムみたいなやつだな。ターンエーガンダムも動くと大変かっこいいのよ。
というのも、SEED以降、まともに見たTVシリーズがないのだ。
00もAGEもオルフェンズもちっとも面白くなかったので、途中でさじを投げてしまった。ビルドファイターズはそもそも見ていない。
Gレコなんて話にもならんクソだった(キンゲのノリをまだやってんのか?と思った)。
ガンダムシリーズはその知名度のわりに、わりとメインコンテンツが危機的になることがある。
この場合のメインコンテンツとはアニメだ。そもそも、ガンダムは販促アニメ(玩具を売るためだった)なのでアニメがダメだと、祖業を失った会社のようなものだ。コニカミノルタみたいなもんってことだ。
よくわからん例えだな……。
まず、Z以降、ガンダムシリーズは低迷していた。
ZZは路線変更すぎてうけず、F91はTVシリーズ化に失敗し、Vはカルトアニメでしかなかった。
OVAなどのマニア向けで命脈を保ってはいたが、正直Vの大ゴケで終わったようなものだったと思う。しかし、シリーズ15年目に巨星が現れ、ガンダムシリーズは救済される。
Gガンダムと続くガンダムWである。
この二者はアナザーガンダムという地平を拓き、また、ガンダムってこんなでもいいんだ! という裾野を広げ、新しいキッズの獲得(G)と女子の獲得(W)を果たした。
もしGガンダムがなければガンダムシリーズはもうこの世になかったと思う。
バンダイも富野も今川泰宏監督に足向けて寝れなからな?
実際のところ、Gガンダムの完成度とテーマ性、モビルスーツデザインはガンダムシリーズの中でも群を抜いている。
そして、X、∀で若干失速するが、21世紀のガンダムともいえるガンダムSEEDが登場する。実際、SEEDの完成度は高い。テーマ性も高い(キラの友人たち、カズィやトール、サイたちが多角的な視点を与えてくれる)。おそらくSEEDは新しい時代の新しいガンダムサーガよして生み出された。
そして実際にそれだけの実力はあった。
老害にはSEED嫌いもいるが、ガンダム中興の祖と言っても過言ではない。SEEDによって、ガンダムシリーズの人気は決定的になったといえるだろう。
今のキッズは知らんかもしれんが、当時はとても盛り上がったのだ。ボディは最高の出来なのにOSがクソで性能が出ないという描写も21世紀のガンダムっぽかった。ハロのかわりのトリィは人気でなかったな……。
コズミックイラは宇宙世紀と並び立つサーガになるはずであったし、そのポテンシャルはあった。
が、二作目SEEDディスティニーが駄作だった。ガンダム史上でもかなりの駄作だった。このせいで、コズミックイラは第二の宇宙世紀になれなかった。
G、W、SEEDの流れでガンダムは完全に国民的なアニメのひとつと言ってもよくなった。
が、皆ガンダムを知っていても(知名度はジブリと変わらない)、見たことあるやつが意外と少ないのだ。
それもそうだろう。
UCやハサウェイがもてはやされるガノタ専用コンテンツになりさがっていく。
理由は明確だ。新しいキッズが入ってこないからだ。AGEはGガンダムの再来を期待していたのだろうが、失敗した。
が、水星の魔女は久々にぐっときた。本当にSEED以来だ。20年ぶりである。
百合アニメ展開っぽい導入なのでキッズに受けるかどうかはわからない。わからないが、願わくは受けて欲しい。