花畑牧場がベトナム人従業員を刑事告訴した、というのは、田中義武はもっと頭がいいかと思っていたが、馬鹿なんだろうか。連日ワイドショーネタになっている時点で、花畑牧場のイメージがダウンした。ベトナム人のせいでイメージダウンしたと主張しているようだが、どう考えても、団体交渉してきただけの相手を訴えたイメージダウンのほうがひどい。人気商売だっていうのに、そんなこともわからんのか、もしくは、ベトナム人を見下しているかのどっちか。おそらく後者である。
もしこれが日本人なら訴えただろうか? おそらく訴えていない。またこれが人種差別的だとかいう問題提起もほとんどない。これは日本人が潜在的に韓国人中国人を同族とみている反面、ベトナム人は完全に見下すべき「アジア」だからだ。たとえば、大韓帝国がなぜ「併合」であって植民地化ではなかったのか? とか、歴史的に日本文明は中華文明のコピーであるとか、そういうのに対し、ベトナムは明らかに未知の国で、ベトナムに学んだことは何もなく、すべてに劣る国だ。実際、大韓帝国皇帝は大日本帝国の華族になったが、日本に対するベトナム皇帝の訴えは「無視」された。
無意識的にせよ、多くの人間がこの感情を持っているはずで、韓国人擁護に比べ、ベトナム人を擁護する動きはほとんどない。ようは意識的に同じ人間としてみていない。義武もそうで、ベトナム人に対し、懲罰的訴訟をしても日本人は気にしない、イメージダウンにならないと考えているのだろう。実際そうだろう。その可能性は高い。
私にはまるで合理性がないように見える。義武は損しかしないように見える。しかし、これは早い話、「ベトナム人ごときが日本人である俺様に逆らうとは赦せん」というスラップ訴訟でしかない。