日本人は明治維新以降英語偏重だったせいで、英語はかなり前から国際語だったと信じて疑わないが、英語の覇権が決定的になったのは20世紀も後半になってからである。
たとえば、国際単位系の学会、委員会では仏語が公用語とされていて、文書は仏語のみだった。1985年の第四版以降、英訳もつくられるようになった。
日本でも戦後になっても医者はドイツ語を勉強したが、学術論文は戦後になっても英語ばかりではなかった。ドイツ語フランス語の文献は多く、アインシュタインの論文の多くはドイツ語で書かれており、原文を読んだ学者は案外いない。
冷戦終結までは東側ではロシア語が支配的で、政治・学術・文化、あらゆる面でロシア語が使用された。