AIと著作権

 最近AI絵師が話題だけど、あれって、簡単に原理がわかる。

 次の絵など、それがよくわかるはずだ。


 お判りいただけるか?
 ようは検索ワードで出てきた絵を合成しているのだ。間違ってはいけない。生成ではない合成だ。
 この画像はどらえもんをAIに描かせたものだが、どらえもんは作品タイトルなので、検索結果にのび太が混じっており、それらを合成した、というのがわかる。

 だから珍妙なものが指定したワードによっては生まれるし、意図しない検索結果(いわゆる検索汚染)があるとまともに機能しないはずだ。

 でだ、AIが出力した絵自体には著作権はないが、合成元にはあるわけだ。
 この扱いはどうなるのだ??

 機械が合成すれば著作権を回避できるのなら、ネットで検索して合成すれば自由にできるということになってしまわないか??
 機械が合成するのか人間が合成するのかに区分けがあるのだろうか??
 AIは所詮道具で、道具である以上、使う人間に著作権侵害がふりかかるのではないのか??

 AI合成=著作権フリーという考えはよくない。これは著作権の破壊を意味する

 本当にAIが生み出しているのならいい(猿の撮影した写真に著作権があるように、生み出しているのなら、AIにも著作権がある、だろう)が、今のAIはWEB上の絵を合成しているだけなので、生み出しているとはいいがたい。

 ようはコラージュである。コラージュは芸術の一手法だが、ウォーホルが多くの裁判を抱え、負けたように、著作権を侵害した手法であるのは事実である。芸術と言えば何をしても許されるわけではない(日本ではそういう考えが強いが。裸体も芸術と言えば写真集にしてもよい、みたいな?)。

 なぜこうなるのかと言えば、今のAIはいわば「偽物」だからだ。
 膨大なバックグラウンド(ビッグデータ)があればあたかも思考しているかのように見えるのと同じだ。

 かつてのAIは少ないリソース(インターネットもないし、ストレージだって数Kバイトの世界)を上手に使い、新規にデータを生み出す=思考が求められた。しかし、もはやリソースは事実上無限に等しい。

 たとえば、将棋AI。
 かつてのアプローチでは、将棋のルールとゴール(勝利条件)さえ教えれば、最適な解を自分で考えていく機械だった。もちろん、教師役は必要だったが。
 しかし今は膨大な試行(対局)を繰り返し、パターンマッチングで最適解を巨大なデータベースから引っ張ってくる機械だ。
 最近のAIは人間の教師役はなく、自律的に学習するとされている場合もあるが、それは間違いだ。彼らは(人間の脳と同じ原理での)学習していないのだ。

 この二者は、同じAIと呼ばれていても全然違う。かつてのAI(前者)は人間の脳を目指したが、今のAI(後者)はデータ検索システムにすぎない
 なので、一昔前は後者のAIはAIと呼ばれていなかったと思うのだが、なんだったか忘れてしまった。