ジャパンドリーム

 ジャパンドリームは一つしかない。
 漫画である。
 漫画はほとんど才能だけで収入が決まる世界で、日本社会では唯一の職業である。
 起業? 無理無理。コネがないとホリエモンの二の舞だよ。三木谷だって、政治家とがっぷりよつだから。
 キーエンスとかトヨタは民生、産業用でかつ世界シェア企業だから違うけども、いまからインフラに近い業種を起業するのはちょっと無理があるし、やるならアメリカでやった方がいい。
 漫画はアメリカだと儲からないし、作者に著作権も帰属しないことが多い。
 一方日本では、漫画作品の著作権は基本的に作者のものだし、強い権利と権限が作者にある。アニメや音楽だとこうはいかない。漫画の場合、作者がだめっつったらパチンコにもできない。
 富樫のように売れる漫画家は休載しまくっても、下書きで掲載しても許される。やたらと体裁を気にする日本社会ではこうはいかない。普通は実績よりも、コネや、人事評価が大事だからだ。
 だから漫画は世界を席巻しているが、あたりまえだろう。才能があるやつは漫画へいく。だって、最も才能で評価される世界だからだ。
 これには理由がある。
 まず、作者と出版社の力関係だ。出版社は零細や小企業が多く、TV局や映画会社のような大組織ではないため、作者の言い分が通りやすい。また、戦後の漫画界の常識は手塚がつくったようなものだが、手塚が著作権は作者のもの、そして、原作者の強い発言という前例をつくった。
 また、漫画家はフリーランスなので、気に入らなければ掲載誌を簡単に変更でき、キャスティングボードが漫画家サイドにある。松本零士などが、ジャスラック著作権運営させようという運動をしたが、失敗した。よかったと思う。音楽のように、国内でしか通用しないものになっていたところ(海外で受ける日本の楽曲が、ジャスラック支配の薄い地下アイドル、ボーカロイド系なのは皮肉)だ。
 鬼滅の作者なんかいい例だろう。
 デビューからして遅く、絵も下手。でも売れた。売れるまえに婚約したという婚約者が羨ましい。
 これをマーケティングのおかげというやつがいるが、じゃあ、なんでもマーケティングで売れるのなら、なんで千と千尋から無限列車までの10年以上、映画の興行収入が更新されなかったんだろうね?? みんなマーケしてたはずだよね??
 いくら素晴らしいマーケティングでもゴミは所詮、売れるゴミにしかならないのだ。売れてもたかが知れている。ゴミはゴミだ。腐っても鯛の反対である。