憂邦烈士連合会@ソロプレイ

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私腹と戦争

 いまコロナを理由に私腹を肥やしている連中がいる。去年、GoToトラベルに兆単位の金を投入したり、コロナ隔離のためにアパホテルを高額で借り受けたり。


 いつもそうだが、日本では不幸や緊急事態を理由に私腹を肥やすやつがいっぱいいる。

 東日本大震災もそうだ。肝心の被災者にはほとんど渡らず、金のほとんどはやくざや東電、ゼネコンに流れていった。いまでは廃炉利権と呼ぶにふさわしい巨大な一産業として成立している。


 たぶん、太平洋戦争もそうだったのだろう。


 戦時中食糧難になったというが、私は前からこれが疑問である。

 本土空襲が始まる前なら、作物は普通に栽培していたはずだし、農村部は軍事拠点もないため空襲はほとんどなかったはずだ。なぜすいとんを食わねばならぬほど食糧事情が逼迫するのか?


 兵隊さんのために食料が優先されたというが、徴兵された兵士がいいものを食っているようにも思われない。当時の回顧録でもそんな感じだし、現地で徴発もしている。


 早い話、どこかでだれかが私腹を肥やしていたとしか思えないし、それが事実だろうが、当時の上級国民はみんな口裏をあわせただろうから、真実は明らかにならないだろう。

 また、コロナの蔓延する今、転売ヤーが跋扈しているのを見ると、当時も銭ゲバ日本人の卑しい根性から転売ヤーが跋扈していたのかもしれない。


 私がこう思うのは、祖母からきいた話である。
 祖母はお金持ちの家に生まれた(戦後のゴタゴタで、身ぐるみはがされ貧乏になったが)。

 なので、祖母の母(曾祖母)というのは当時にしては珍しく結婚指輪(当時はそうは呼ばれていなかったとは思うが、曾祖父から送られたものだ)というものをもっていたそうだ。

 これが供出されたのだという。家に現れた役場の職員かなにかが、一切合切もっていったのだという。

 もちろん、供出しないやつは非国民、というわけだ。曾祖母のなにがまずかったのか。曾祖父は死んでいたから、形見に身に着けていたのがいけなかったのだ。


 どう考えても、この指輪はそいつのポケットに入ったであろう。

 指輪一個では何も作れないし、何も変わらない。報告しなけりゃわかりもしない。

 戦争を理由に奪い、自分のポケットに入れる。

 

 祖母もそう思っていたようだった。当時成人していた祖母が思うのだから、当時はそういったことが横行していたのだろう。一種の常識だったに違いない。

 しかし、当時の役場職員というのは、赤紙も自由(気に入らない家の「長男」に送り付けるという行為が行われていた)にできたし、逆らうわけにはいなかったのだ。


 私は戦争に反対ではない。


 戦争は政治と外交の一手段にすぎず、行使すべきときはすべきだ。


 だが、実際戦争になると、こういう連中が出てくる。戦争を理由に私腹を肥やし、暴利をむさぼる。損をするのは一般人ばかりだ。太平洋戦争でも、一般人は財産を失った。台湾に口座を持っていた祖父母は一文なしになった。


 だが、戦後、日本政府は銀行材を凍結する傍ら、戦時国債の償還はしているのだ。

 

 ふざけるな、という話だ。
 国債を買えるような金持、銀行、会社は、一般人のように戦争で一文無しにならなかったということだ。

 ちょっと損しただけだし、戦時中私腹を肥やしてもうかったやつもいたわけだ(児玉誉士夫なんて金塊を持ち逃げした)。


 だから、私は戦争に反対なのだ。
 日本人はそういう人種だ。


 危機を利用してだれかが(多くの場合上級国民)が私腹を肥やし、一般人は損をする。

 それに歯向かえば非国民(東日本のときも、火力発電所を回せば計画停電はいらないはずだ、というまっとうな批判は非協力的と断罪されたが、のちに計画停電は不要だったことがわかっている)だ。


 で、ここで不思議なのは、損をするはずの一般人の中に進んで私腹を肥やす連中に協力するやつがいて、それがなにかおこぼれにあずかっているのかと思えば、何にもあずかっていないという、なんだか狂信者みたいなやつがいることだ。


 現代で言えば、貧乏人なのに金持ち優遇政策自民党を篤く支持ている連中だ。

 いわゆる正義マンなのか、世の中の流れに逆らうことができない世間体マンなのか定かではない。

 

 そして、私が祖母のその話で嫌に思ったのは、戦後、アルツハイマー病にかかった曾祖母はその指輪を探していたというエピソードだ。