金正恩は父の正日や祖父の日成に比べて、悪党感が薄い。
妹のヨジョンも同じだ。彼らはどこか高貴ささえある。
まあそりゃあそうで、彼らは三代目なので生まれたときから支配者の家で、支配者として育った。
ここが父や祖父との決定的な違いだ。
彼らが悪人に見えないのは、彼らの中で人民を支配することは生まれたときから当然のことで、悪いとかいいとかそういうことじゃないからだ。
兄の正男は海外生活の長さから価値観が変わってしまったが、同時に高貴さも失われたきがする。
正恩は悪い奴には見えない。
たぶん、わがままで極度に自己中心的だが、彼の笑顔を見ると性根が悪いようには見えず、単に育ちの問題に見える。彼が韓国に生まれれば、まあ、普通の青年として生きていただろう。
一方、金日成というのはまあ、間違いなく悪党である。
生まれもはっきりしない貧民だったにも関わらず、人民を抑圧し、事実上の王朝を建国した。
彼は貧民の気持ちが分かるはずなのに、弾圧、粛清した。ここが違う。
正恩はそもそも、一般人の気持ちはわからないのだから仕方ないが、わかっていてやるのは性根が悪いからにほかならない。
息子の正日もまた、そんな父を見ていて、色々知っているはずなのだ。
トランプ元大統領の正恩に対する態度は、どこか我儘息子を見ているような態度に見えた。明らかに彼は正恩に好感を持っているように見えたのだ。韓国大統領に対する態度や、日本の首相に対する態度と全然違った。
私にはそう見えた。
日韓の元首はしょせん、格下の国の元首にすぎないので、まあ軽くあしらうが、正恩にはそういう態度が見えなかったのだ。