日本人は不真面目だと思う。
明らかにあるものを「ない」と言い張る社会だ。皆あると思っているのに、公然とそれを言うことはできず、言うと馬鹿扱いされる。
軍隊はあるのに、「ない」し、パチンコはギャンブルなのに、そうでは「ない」し、裏口入学はどこでもあるのに「ない」し。あるのにないものだらけだ。
自衛隊は戦車も空母ももっているのに軍隊じゃないと本気で思ってるやつがいたら、そいつは頭おかしいし、パチンコを換金ギャンブルじゃないと本気で信じていたら、やっぱり頭おかしい。
でも、実社会では逆で、自衛隊を軍隊だと言えば馬鹿扱い、三点方式は違法と言えば馬鹿扱いだ。
外圧がないと何も変わらないというのも、その延長線上なのだろう。
「は? 馬鹿なの? 明らかにあるでしょ」と空気も読まずにヅカヅカ踏み込んでくる正論の外圧がない限り、誰も真実が言えない、というか、言ってもなぜかわかっているはずの世間の人から馬鹿扱いされるのだ。
変な社会だと思う。
馬鹿扱いされるから、議論にもならない。皆嘘だと知っているのに、公然と言えず、そのことについての議論もない。だって、自衛隊は軍隊じゃないから軍隊についての議論はしないし、パチンコがギャンブルだとは警察は全く把握していないから議論はない。
虚妄を強制的に信じさせられているのだ。
たぶん、宗教の代わりなんだろうが、反宗教のようなカウンターカルチャーもなく、「国民総言いたいことも言えずにポイズン状態」になっている。総ポイと略す。
ニーチェが「神は死んだ」といったとき、彼は馬鹿扱いされ、狂って死んだが、今となっては欧州では、特に西では、若者の7割の人間が無宗教という始末だ。日本よりも多いのではないか? とさえ思う。
ニーチェは再評価された。しかし、日本でも同じことが起こるだろうか? とても思えない。