サイゼリヤやスシローが貧乏人の行く飯屋なのは事実である。
わざわざそんなことをいい、炎上した馬鹿がいるらしい。
しかしながら、それをわざわざTwitterなんかでいい、本物の味を知らない貧乏人などと煽る連中自身が「貧乏人」もしくは小金を得て金持ちになった気分の「小金持ち」のどちらかであるし、そもそも彼らの性根は貧しい。
金持ちは貧乏人とは関わらない。
高級なモノを食うのが偉い、モノを知っているというその価値観自体が貧乏人のそれなのだ。
私の町に、町政を支配するほど(町長も逆らえない)の権勢を一代で得た人物がいる。
彼は元々貧乏だったが一代で財をなした。
しかし、財をなしたあとも、くっそボロい軽トラに乗り、きったねえツナギで出社し、見た目は小さなじーさんだったので、まあ金持ちには見えん。数十億の財産があるようには見えない。
早い話、彼は興味がなかったわけで。見てくれに金を使うことにも、高級車に乗ることにも。
戦後の貧しさから脱して得たかったのは、生活に絶対困らない巨額の資産であって、何かしらの物質ではなかったのだろう。
しかも金持ちアピールは必要ない。
だって、町民はみんな知っているから。彼が金持ちだと。
ただ若い子は知らなかったりして、ぞんざいな扱いをして、あとから上司が平謝りに行くという話もきいたが、彼は怒らなかったというし、そもそも上司が気づいて勝手に謝りに行っているにすぎない。
彼はなにもしなくてもいい。すでに金と権力はあるから、それをアピールする必要がない。
この若造! と怒鳴り散らさなくても、だれかがそいつを叱り飛ばすことはわかっている。
え? だってね、仕事もらえなくなるもんね。
もっとスケールの大きい話なら、毎朝バフェットはマクドを食っているというし、世界一の富豪に何度もなったビルゲイツもマクドをよく食うという。ジャンクフードだ。まずい安い貧乏人の飯だ。
しかし、彼らにはどうでもいいことだ。
ゲイツに貧乏人! といえるやつなんかこの世にいないし、言われたところで、鼻で笑うだけだ。
そして、100円も1万円も彼の中では大差がない。私たちにとっての1円と2円の違いくらいのもんだ。
高級フレンチもマクドのチーズバーガーも、同列に存在する。だから、食いたいものを食いたいときに食う。
貧乏だとか高級だとか、そういうことを考えて食うこと自体が貧乏人の思考だ。
ただ会社経営に関してはくっそケチであったと言われている。
会社の経営においては100円と1万円は差があった。というか、兆の金を手にしても、会社経営の話になった途端、「貧乏人の目線に戻ることができる」能力があったからこそ、彼は世界一の金持ちになった(だってそうだろう? 彼の製品を買うのには貧乏人も含まれているのだ! というか大半がそうだ)のだ。
普通の人間は逆で、会社が儲かり、持ち株で裕福になると、会社経営も放漫になってしまう。だから大金持ちになれない。
貧乏人だったときの気持ちを忘れてしまう。
世の中の大半の人間は貧乏人なんである。貧乏人の心を忘れたら商売はできん(一部の高級ブランドとかはできるだろうが)。