世界はむしろブスに優しい世界になっているのではないか。
確かに私はかねがね、かつて「村で一番美しかった娘はいなくなった」だからルッキズムは際限なく拡大していく、と述べてきた。
私たちはインターネットで繋がってしまったがために、世界中の美男美女を知ることが出来る。
ゆえに、かつて情報が少なかった時代に村一番の美女(一生村の外を知らない人間が殆ど)が実は平凡な人物であることを知れてしまう。
が、逆に、私たちはテクノロジーでルックスを偽装する手段を発展させてきた。
画像加工アプリはむしろルッキズムの助長ではなく、逆、この世の画像世界からブスを撲滅できてしまう素晴らしいツールなのではないか。
Vなんてのは、モーションキャプチャやライブ2Dのおかげで、ブスゆえに表に出れなかった逸材が発掘されているのではないか。
声優が顔面重視になった結果、田村ゆかり級の人物が出てこなくなったのとは逆に、顔出しNGの世界ではむしろ才能や内面で評価される(だってガワはみんな可愛いのだ!)。
ブスにとってこんないいととはないのではないか。
adoだって昭和の時代に顔出ししないなんて無理だったはずだし、一定のルックスがないと表に出れないか、ブスを捻じ伏す才能(松任谷由実のような)が必要だった。
さすがにあのレベルはなかなかおるまい。
だから殆どのブスは泣くしかなかった。大して歌のうまくない美人がTVで踊っていたのだ。
世界はブスに厳しくなっているように見えて、その実、ブス隠しの手段は際限なく増えている。
しかし、恋愛の世界においてまだ美男美女が有利なのは、リモートセックスがまだ未来の話だからにほかならない。
が!
触覚や嗅覚を伝達する手段も発達してきた。
これまでは視覚と聴覚しかなく、視覚的に有利な美男美女があきらかに強かったが、要素が増えれば視覚の優位性はさがるし、現実に近いリモートセックスができれば、実際にあう必要はない。
あう必要がないならば、ブスはブスでなくなる。
加工アプリで加工した姿、Live2Dのガワこそが真の姿といえるのだ。