共産圏の民主化というのは間違った表現というか、アメリカの用意した恣意的な表現だと思う。
日本人は無批判に受け入れている馬鹿しかいないが。
なにせ、社会主義資本主義という経済上の制度と、政治制度の民主・独裁、権利・人権制度の自由・不自由は本来的には無関係だからだ。
たとえば、18世紀のイギリスは資本主義国家だが、民主的ではなく(一部の人間にしか選挙権がない)、自由も制限されていた。現在でも貴族院は貴族しかなれないので、民主化の程度は先進国では低い。
アメリカでも、黒人には参政権がなかったので、民主的ではなかった。
白人にとっては民主的で自由主義な国だったかもしれないが、当時は日本の方が国民すべてに選挙権があるので民主的であり、自由主義だった。しかしながら、戦時体制へ移行する中で資本主義はなりそひそめて、全体国家的な経済政策が始まる。
この政策は今も尾を引いており、電力会社やJR、JASRACなどがその残滓だ。
ドイツのように総統が生まれて独裁制になったわけではなく、近衛文麿は総辞職しているし、軍部が強いとはいえ、ドイツ・イタリアより遙かに民主国家だった。制度的には。
なので、民主化というのはあくまでも政治制度でしかない。
イランも女性にもちゃんと参政権はあるので、先進国と遜色ない民主国家なので「イランを民主化」するというのは不可能だ。とっくに民主主義国家だからだ。
法的にも人権はほとんど制限されておらず、イスラム教はあくまでも民間組織として甚大な影響力を持っているだけで、これはアメリカのキリスト教があくまでも民間組織として政治的に巨大な影響力を持つのと同じ。また、あたりまえだが資本主義国家だ。
なので、アメリカ人とその言い分を鵜呑みにする馬鹿な日本人が言う「民主化」とは「アメリカに服従する」という意味でしかない。
だからサウジのように民主のミの字がなくても、アメリカに服従している国家は「民主化」する必要がない。