土地所有権ほど要らないものはない

 日本ではバブルのときのように土地にうるさいくせに、実際には地権者の権利は極めて弱く、そのくせ税金は高く、手続きには法外な金がかかる。しかも、登記は裁判では意味がないらしい。なんじゃそりゃ、である。税金の根拠なのに??
 なので、土地所有権とは実質、「税金払います権」でしかない。なので、最近は所有者不明の土地が膨大になってきている。そりゃそうだ。土地所有権にはほとんどというか、ほぼメリットがなく(何一つ思いつかない)、デメリットしかない。所有した土地で発生したことに全責任を負わねばならず(法律が馬鹿なのは24時間監視できるわけがないのにだ)、税金は払わねばならない。
 ゆえに、土地所有権とは実質、戸建てを建てる以外に個人が購入する理由はゼロである(今どき、土地だけ賃貸してくれるケースはほぼない)。土地ころがしをしたいならいいかもしれないが、実際、そういう目的以外での土地所有にはメリットがない。つまり、これから土地所有はビットコインみたいなもんで、何の有用性もなく、誰も欲しくないが、値段だけが変わり、売買が為されるだけになるだろう。
 実際、土地が賃貸できるなら、土地は賃貸して上に家を建てたほうがいい。なぜなら、あなたが一銭も賃借料を払わなかったとしても、地主はあなたの家を撤去できない。法律と判例でそう決まっているのだ。で、誰かの家が建っている土地なんて売れないから、地主は泣き寝入りで、税金を払うだけ。だって警察に相談しても、「民事」でおしまいだし、民事なら裁判で負けようが支払義務はない。
 税務署は杓子定規の徴収にしか興味がないので、地主が活用できていない土地だろうが、不法占拠された土地だろうが、所有者から徴収する。払わなきゃ強制執行する。あなたは地主に一円も支払う義務はないし、裁判に負けても支払う必要はどこにもないが、税金はかなり強力な手続きで絞られる。
 そんな、誰が好き好んで「税金払います権」を欲しいものか。
 極めつけは占有権である。使用権は占有者にあるので、あなたの土地が第三者に占有されていた場合、あなたはその人に何もできない。それどころか、占有権を取り戻すにはあなたが金銭を支払わねばならない。が、税金は占有者ではなく、所有者についてまわる。
 土地所有権ほど要らないものはない。なにせ、家なら破壊すればいい。車なら破棄すればいい。しかし、土地は誰かに譲渡するまで消えないのだ。放棄ができない。できることにはなっているが、条件が異様に厳しく、無理筋である。なにせ、相続した土地や譲渡された土地ではなくてはならないのだ。しかも、自治体や国が「駄目」と却下できるし、実際はほとんど却下される(税金支払い能力のある人間の土地を放棄させるなんてもったいない!!)。
 つまり、国としては一度手に入れたらなかなか手放せないようにし、税金ガッポガッポするのが目的なのだ。