アメリカの悪しき文化

 日本は開国以来、一貫してアメリカ化している。

 戦後は加速したが、特に21世紀になってからさらに加速したように見える。

 

 ハロウィンはもう定番になってしまった。かつてはどんなに企業が頑張っても普及しない行事の代名詞だったのに、ここ10年で一気に定番化した。

 ハロウィンは欧州では一足先に流行ったが、今は衰退しているときく。

 

 で、いま、日本にチップ文化が根付こうとしている。

 あんなもん、アメリカの悪しき文化の最たるものだ。二番目はヤードポンド法だ。

 

 チップはウーバーイーツのせいで普及しそうなのだが、本当にやめていただきたい。というのも、正確に言うと、ヤードポンド法と同じで、アメリカの「保守的な」悪しき文化であって、ほかの先進国では衰退したのだ。

 なぜ、復活させようとしているのか。

 

 そもそも、チップ文化は欧州のものだった。いまも若干残ってはいるが、ほとんど壊滅した。フランスでは組織的につぶした感があるそうだ。

 もちろん、中流ホテル(レストラン)以上ではチップ文化はある。

 

 というのも、こんなもん「経営者に有利」な文化だからだ。経営者は従業員の給与を安くし、「え? チップもらえば?」といい、チップ額が少ないのは、おまえが無能だからだ、と切って捨てる。

 百害あって一利なしだ。

 

 社会主義の強い欧州では衰退するはずだ。

 

 日本でも、心づけといって宿や料理屋では女中や給仕に支払うものだったし、いまでも奉仕料やサービス料という名目で徴収されている。これは欧州も同じだ。

 コミコミになっていて、客がわざわざチップを渡さないようになっている。

 

 しかし、アメリカのように津々浦々チップチップなんてのは、世界広しと言えど、アメリカだけである。そんなもん普及しないでほしい。

 

 しかし、普及させたいやつはアメリカのような「感謝」に立脚する「自主」が目的ではないだろう(もちろんアメリカでは理念であって、実際は半強制)。

 ようは、チップ代と言う名目で、レストランやホテル以外でもコミコミのサービス料を取りたいということだ。企業主導で進めていそうだ。

 

 これのあくどいところは、物価が上昇しないことだ。

 2000円の宅配ピザに2割の奉仕料がのって、2400円。しかし、奉仕料はピザの値段ではないから、ピザは2000円のままだし、価格も2000円のままだ。

 小さな字で、2割のサービス料がかかります、と書いておけばいい。

 

 そのうち、あらゆるものにコミコミの奉仕料が乗ってくる世の中になるはずだ。

 いつもそうだ。日本人はアメリカの悪しき文化を「換骨奪胎」して利用してきた。さらに悪い方に。