アナログレコードや油絵、紙の本などには興味もあるし、基本的に紙の本派だけども、フイルムカメラだけはとんと興味がわかない。理由ははっきりしている。途中でデジタル変換されるからだ。
アナログレコードはアナログの記録をアナログのスピーカー振動に変える完全なアナログ装置だ。CDにしても最終的なアウトプットは絶対にアナログになる。油絵も完全なアナログだ。
紙の本はいまどきDTPだから作成時はデジタルだが、印刷されることでアナログになる。
ではフイルムカメラはどうか。
20世紀の終わりはまだフイルムカメラがデジタルよりも強かったが、実際には現像以降はデジタル化されていた。プリントはずっとまえからデジタルだったのだ。だったら最初からデジタルで撮影しても大差ない。
確かにいまだにアナログプリントがまったくできないわけではないが、絶滅危惧種だ。
さらにフイルムカメラで撮影してプリントせずに保存しようと思うとそれはデジタルデータなので、やはり最初からデジカメでよい。
しかしこういうと、CDだって、音源はアナログでCDで符号化されてまたスピーカーで戻しているじゃないか。と言われるかもしれない。確かにそうだが、CDの場合、わたしにできることはないわけだし、最終的な結果はアナログでしか楽しめない。ここが根本的に違う。
かつては写真もアナログプリントで楽しむものだったが、今は違う。デジタルデータを送りあう時代だ。TVやスマホで見る時代だ。
だからフイルムカメラ愛好家の言い分はちょっと頭のおかしい点が多い。
紙の本派は読みやすいという。これはいい。本は読むものだから読みやすいのが一番だ。
フイルムカメラがデジカメよりも撮影しやすいということは絶対にないと断言できる。だから彼らは、「撮影に集中できる」というちょっと意味の分からないことをいう。デジタルペイントよりもアナログペイントのほうが集中できるなどという話はきいたことがない。
聞かない理由はわかる。アナログの味はデジタルとは根本的に違うから、そんな意味不明な理由を述べる必要がないし、アナログのほうが情報量が多いこともはっきりしているからだ。
一方カメラの場合、フイルムの情報量は多くない。感光する粒子の数が限界だからで、だいたい1000万画素相当といわれている。つまり、デジカメよりも情報量がないというわけだ。
だから、アナログカメラ好きは「本質的な部分」での議論ができない。
カメラとは撮影結果が本質のはずだ。これはCDもデジタルペイント同じだ。出力結果が悪いのに集中できるからとか、そんな理由でやるやつは中々いない。
オーディオ厨がレコードを偏愛していても、私はなっとき出来る。だって、レコードのほうが音域広いのだから。