神田沙也加と悩み相談窓口

 神田沙也加氏の死について、それが自殺であれ事故であれ、遺族は悲しいであろう。

 にもかかわらず、これ幸いと彼女の死を利用して広報に余念がない悩み相談窓口の態度が私は嫌いだ。

 

 広報しなければならないというのはわかるが、遺族の心境も考えず、自殺と断定し、また自殺=悩みというテンプレで解釈し、彼女のようにならないように電話! みたいに広報するのは、遺族的には気分が悪いと思う。

 だって警察は転落死としか言ってないはずだよね? 自殺とも他殺とも事故死とも断定はしていない。

 勝手に自殺と断定されたら、悲しくない? 私だったら悲しい。

 

 手塩にかけた一人娘が自殺するなんて、まっとうな親としたら悪夢だよ。いい話ではないけど、まだ事故死や他殺のほうがいい。だってさ、自殺だったら、彼女はこの世に希望を見出せなかったんだし、偶発的な話じゃないから、救う手段があったはずなんだもの。

 

 悩み相談室窓口自体が、人の気持ちに対して鈍感なのではないか。そういう疑念を抱いてしまう。相談する気が失せないだろうか

 

 たぶん、広報担当はもし、彼女が悩みから自殺したとして、少なくとも、そういった敏感な人の気持ちがわかる人ではないのだなあ、と思わざるを得ない。

 そして敏感な人は鈍感な人に相談などしたくない。

 

 答えは決まっているからだ。

 

 え? 私はそうは思わないけど? っていう(言葉にでなくても言外にそういうニュアンスは察知してしまう)。

 

 そういう返事は求めてない。相談して答えが欲しいんじゃない。誰がどう思うとか、思わないとか、気持ちの持ちようとか、そういう話じゃない。そんなことは馬鹿でもわかってんだよなあ。

 

 肯定してほしいだけなのだ。多くの場合において。肯定感の少ない世界だから、もういいかな、ってなる。

 

 こういう死にたい人の気持ちは、実際にそういう考えに至ったことがないとわからないと思う。