現在のAIは思考機械ではなく、バックエンドにある膨大なデータをわかりやすい形で抽出してくれる便利な検索機械に近い。ChatGPTなんかそうだろう。
なので何ら特別ではないのだ。
私たち人類は過去のデータ、情報、知識をもとに生きていて、日々それらを利用している。
古代であれば、その知識を得るためには詳しい人にきくか、それでも誰も知らない過去のことなら、アッシュールバニパルの図書館にいって探すしかなかった。
これをとても簡単に、自然言語で検索して、わかりやすい形に纏めてくれるのがAIである。
つまり、何も新しくはない。
ただ速度が違うだけだ。
古代なら、そもそもニネヴェにいくのに何日かかっただろうか。
たどり着いて粘土板を引っ張り出して、該当箇所を探すのにまた何日かかっただろうか。しかも、当時はアッカド語かシュメール語で書いてあるから、日常的に使っているアッシリア語では読めない。
そもそもデータや知識を得る前段階で多くの技術や知識、金銭が必要だったので、時間がかかった。
現代は何でもスピードが速い。
株は昔は電話して指値を指示していたので、AIによる取引では秒以下の単位で取引されており、人間では把握できない速度、なんてことはなかったし、遺伝子組み換えですぐにできてしまう品種改良も過去では数百年数世代にわたって行われた。
だから単純にAIは「とても速い検索と要約機械」でしかない。
画像生成AIも同じだ。膨大なデータ(過去の絵)から該当しそうなものを抽出し、それをまとめる(一枚の絵にする)だけだ。
言語の要約は古代から行われてきたが、絵画に対して行われていなかっただけで、本質は同じだ。
学習型AIは少し違うが、これは自己でデータを収集する面があるというだけだ。これにしても、記録計は古代からあるのだ。
ただ記録計とその記録を分析する係(人間)が別だったが、これを一緒にして自動化したものが学習型AIである。