憂邦烈士連合会@ソロプレイ

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BYDがやっていることは、かつて日本車がやったことである

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 BYDがやっていることは、かつて日本車がやったことである。

 日本車も最初はパチモノから始まったが、70年代以降は貿易摩擦を引き起こすまでになる。

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 日本の記事なので好意的に書かれているが、要はロイトを未熟なスズキの製造設備でもつくれるように設計し直したパチモンである。

 戦前の日本はまともな自動車が作れなかったのは有名な話である。

 戦前既に成人していた祖母がいうには、自動車なんぞそうそう見るもんではなかったようだ(田舎だったし)。
 牛車で移動した話をきいたこともあるし、零戦を工場から基地まで曳航していたのが牛車だとかいうエピソードもきいたことがある。古い家には牛小屋があるのも証拠の一つだろう。
 祖母の家はのちにここがガレージになった。

 BYDも設立自体は新しくはなく、30年前に創業されている。

 また、BYDはもともとバッテリーメーカーで自動車メーカーではないが、そんなことを言えば、豊田は織機メーカーだ。
 新しいガジェットに古いガジェットの企業が技術転用することはよくある。似たような部分があったり、基幹部品だとそうなる。

 ヤマハなんぞ一体何屋なんだ? といいたくなる(分社化してはいるが)。ルーターまでつくっているし、かつてはアーチェリー用品もつくっていた(非アメリカメーカーとしては大きなシェアを持っていたが撤退した。一説には社長の趣味とも)。

 ヒュンダイは日本では売れなかったが、技術面の話ではなく単なるレイシズムである(ヒュンダイは水素自動車をつくれる数少ないメーカーだ)。

 BYDは売れるなんじゃないかな、と思う。

 中国人がセコいというか、現実主義者だなあと思うのはBYDとかLenovoとか中国感のない名前をグローバルな企業名にしていることだ。
 韓国はサムスンヒュンダイとかいう(ナショナリズムが捨てられない)から、日本人のレイシズムが発動する。
 まあ、日本だって、松下電器とか東京通信工業じゃなくて、パナソニックソニーっていってるけどね。マツダも、MAZDAと日本語っぽくない綴りを採用しているし。

 今日本車はとにかく高くなっているので、BYDを買うメリットはあると思う。
 ただ日本国内でレイシズム以上に問題なのが車だ。
 会社や高級車を保有する最大のネックでもある。
 金額面だけではなく、隣の県までいかないとディーラーがないとかザラだ。

 BYDはこのあたりをどうクリアするんだろうね。

 また中国が自国で自動車生産を始めたのは日本とあまり時代差がないのだ。

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 中国人は最貧国のひとつに数えられようとも常に一定水準の技術はもっていた
 核兵器などもそうだが、戦前の段階で自国で軍船を製造できた数少ない国だった。まあ、列強の戦艦に比べたら屁みたいなもんだが、できるとできないの差はでかい。0と1の差は0と100の差よりもはるかに大きい。

 だから自動車生産も自国でやってはいたのだ。クソだっただけで。
 当時自国で自動車を製造できた国がどれだけあっただろうか。今でもそうだ。

 ソ連と同じで民生品がゴミクソだっただけだ(北朝鮮も自国で人工衛星を打ち上げる能力と核兵器開発力を有し、Linuxベースとはいえ独自OSも開発していた経緯がある。あれ、日本のクソ政府より有能じゃないか? このあたりがシリアとかリビアとの最大の違いだろう北朝鮮は中国にならっているのか、国家的技術開発は諦めていない)。

 日本人にはBYDがぽっと出に見えるかもしれないが、かつてアメリカ人は日本の躍進をそう思っただろう。トヨタ? なんだそのきいたこともない自動車会社は! と。

 しかし、数十年の前史がある。

 今世界を支配しているGAFAMだって、MicrosoftAppleはIT業界ではむしろ老舗だ。しかし、ほんの10年前までAppleなんてマニア以外はよく知らなかった。

 BYDはちゃんと前史があり、最初は小型バッテリーで会社を大きくし、電気機関車の開発でのしあがった。

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 一時期は世界中でファブレスが合い言葉だった。
 大企業がみなファブレス化して利益を最大化! 工場なんて要らない! だったが、その結果がどうだ? TSMCに誰も逆らえない。
 TSMCは世界最強の「下請け」となった。AMDTSMCのおかげでインテルに勝ったようなもんだ。

 日本企業はファブレスを合い言葉にして半導体開発をやめてしまった。いまさら政府は妄想をほざいているが、遅い。

 世界中の自動車会社が下請けを奴隷のように使って部品を調達している。トヨタは最たるものだろう

 しかし、BYDは内製化へシフトした。

 内製化すれば、コロナ下のような供給不足にもなりにくい。トヨタも部品調達ができずシエンタは受注停止になっていた。

 そもそも、ほとんどの自動車メーカーのベアリングを作っている企業が一社しかないとかそういう状況がまずおかしいし、多くの下請けが複数のメーカーに卸している。
 結果、部品は汎用化するか、ラインナップが細分化される。
 また、大手メーカーは研究・開発費を下請けにだしたりはしないから、部材の性能向上はあまり見込めない。下請けはどこもメーカーほど儲かってはいないからだ。

 だか内製化すれば、自社製品に最適化できる。研究開発費も惜しみなく出す。
 奴隷化で儲けようという世界がもう違うのだと思う。

 恐らくBYDは世界中から叩かれるだろう。内製化というのも、今世界を支配する自動車メーカーへの挑戦と取られるからだ。
 だってそうだろう?
 これから内製化がどんどん進めば、下請け企業の有能な技術者をBYDがヘッドハンティングしていくことになるからね。