憂邦烈士連合会@ソロプレイ

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PS5の転売

 PS5の転売を見るに、金がだぶついているのだなと思う。

 いま仮想の金(ビットコインなどではなく、現金として存在しない架空の金のこと。株式や銀口座残高のこと)は限界を迎えている。戦後の世界の経済成長は早い話、この仮想、架空の金が増大していった過程である。金本位制からドル本位制へ移行したあたりからそれは始まった。

 金本位制は金の価値以上に市場規模が拡大しない。しかし、ドル本位制は理論上無限に拡大し得た。が、2000年あたりからさらに加速したものの、徐々に失速した。これはいくらなんでもドルを刷りすぎると市場が崩壊するからで、仮想の金の世界も限界に達してきたことを意味する。

 しかしながら、世の中、経済成長し続けるためにはどこかに金を投入する市場を用意する必要がある。これがいまビットコインであり、PS5やフィギュア、カードなどの異様な転売価格なのだ。正直、ゲーマーなら転売価格で買わない。積みゲーもあるし、そんなに魅力的なタイトルもでてこないし。

 PS5を買っている人間は流行りだから買っている層と、「資産だと思って買っている層」だ。

 流行で買っているやつはまだいい。これは普通の購買行動だ。

 問題は、一億総転売ともいえるような状態にある。なぜ転売するのかといえば、まるで土地ころがしのようなものだからだ。そう、通常の転売ではない。資産転がしなのだ。

 特にトレーディングカードやカードゲームはひどい。これらは電化製品ではないので、再販されないことが多く、「資産」と見なされている。異様だ。これまでカードゲーマー以外に価値はないと見なされてきた。なぜなら、ブラックロータスは希少価値もそうだが、「強い」から価値があった。が、その強さはカードゲーマー以外には必要ない。

 本来価値のないものに強引に価値を与えることで市場規模を拡大し、経済成長をなす。通常はインフレはゆっくり進行するが、転売価格によって事実上のインフレが進んでいる。ものによっては市場価格で手に入らないのだ。

 私はフィギュアマニアでよく買うのだが、ここ10年で販売価格そのものが倍以上になった。スケールフィギュアも2010年なら8000円程度だったが、いまや2万円というのもザラだ。しかし問題はそこじゃない。

 プレミア品以外は過去のフィギュアはたたき売りが基本だった。プレミア品もまあ、倍程度の上昇値だったし、プレミア狙いで品切れするということはあまりなかった。

 最近は違う。予約で瞬殺される。すぐに発売もされていないのに、オクに出品され、最初から倍近い値段で売られる。ひどいものは5倍近い値段にまで上昇する。ぶっちゃけありえない。皆上昇すると思い込んでいるので、これが売れる。

 フィギュアとしてではなく、投資として買うやつが後を絶たないのだ。