1.彼女は海が好きだ
2.彼女は海が好きだった
このあと、1の場合は現在も付き合っていますか? 2の場合はどうですか? とたずねた場合、アスペルガーの場合は、意味不明な設問と答えるらしい。
健常者は、
1.つきあっている
2.つきあっていない
と答えるらしい。
が、私から言わせれば、日本語として確かにこれは正確ではなく、どうとでも解釈できうる。
厳密に言いたいなら、
1.海の好きな彼女がいる
2.海の好きな彼女がいた
となるわけだが、これでは設問が成立しない。
で、これが日本語としていまいちよくないのは、好きだったが何にかかっているのか、一体この過去形は何の過去なのか。そこが不明瞭だ。
しかし、そこを明瞭にすると、単に省略された文章であることが浮き彫りになる。
1.(今の)彼女は海が好きだ
2.(前の)彼女は海が好きだった
逆にしてみよう。
1'.(前の)彼女は海が好きだ
2’.(今の)彼女は海が好きだった
(今の)か(前の)かが問われているが、どっちに解釈してもよい。
2’の場合、過去形は「海が好きであること」にかかっているのに対し、もともとの2の場合、(前の)彼女にかかっている。なので、2の場合、(前の)彼女は今も海が好きである可能性があるが、この文章からはわかりえない。