「日本よ。これが映画だ」というキャッチコピーが有名だが、こんなんが「映画」なら、劇場版コナンの方が受けている日本に生まれてよかった、としか思えない。
コナンが日本の映画の動員ランキングで勝利してしまったのを揶揄す人がいるが、こんな映画が受けている時点で終わっている。
何度でもいうが、コナンが受ける日本のがマシ。世界に、コナンを見せて、「これが映画だ」とむしろ言いたい。馬鹿にされてもいい。「コスプレクソ映画」が映画と言われるよりは。
昔はそうじゃなかったと思う。
ジュラシックパークとかタイタニックとか。
確かに大衆向けの大スペクタクル、湯水のように金をつぎ込んだセットとCGという点では同じだが、ジュラシックパークはバックボーンとしてのSF要素(琥珀からDNAを採取するというのは、当時は可能性を感じる知見だったし、恐竜についても当時の最先端の研究を反映している)があり、タイタニックは歴史的要素がある。
アベンジャーズに負けるまで興行収入でトップだったのがアバターだが、アバターは個人的には最高の映画だ。SFとしても恋愛ものとしても、アクションものとしても楽しめ、異星人の言語設定まで実は綿密に練られており、奥が深い。
さすがジェームズキャメロンと言わざるを得なかった(彼の最高傑作はアビスだが)。
それに引き換えアベンジャーズはなんだ? ありゃ、日本の戦隊ヒーローものと同次元の幼稚な映画だ。アメコミの実写化だろう? コナンのアニメ化と何が違う?
現実離れしたダサいコスチュームもかっこいいとは思えない。そりゃキャプテンアメリカなんて戦前からいるヒーローだから、デザインがダサいのは当たり前だが。
ただし、トビー・マグワイアが主演していたころのスパイダーマンは傑作だった。以降なぜか作り直しばかりしているが、毎回毎回劣化の一途である。
マグワイア主演作がよかったのは、それほど彼がイケメンではないというのがリアルでよかったし、ピーターの悩みが純粋に映画としてよくできていた(おじさんが殺されるくだりはコスプレクソ映画の次元を超越していたと思う)が、続くリメイクたちは単なるヒーローものに堕した(日本では世界に比べ、異様にスパイダーマンの人気が高いのは、マグワイア主演作のおかげだと思う。続編含め、ヒーロー映画ではなく「映画」として出来が良かった)。
なんでアベンジャーズみたいな幼稚なクソ映画が受けるのか。
まず、日本で受ける意味がわからない。アイアンマンくらいしか知らないだろうし、戦隊ヒーローみたいな映画を女子が見るのか?
まあ、日本人はアメリカで受けた映画というだけで見に行くから仕方ないのかもしれない。
が、アメリカ本国でも、あんな「コスプレ映画」がバカ受けする意味が不明だ。
新しいヒーローではなく、キャプテンアメリカのような骨董品みたいなヒーローを使って。日本で言えば、のらくろの映画が興行収入400億円越えで鬼滅の刃を圧倒するような話だ。ありえん。
あれが受けるというのなら、100億くらいかけて「白人主演」(ここが超重要。アジア人主演の映画は誰も見たくないのでヒットしない。白人主演で叩かれたDBの映画ですら60億円の興行収入でDB映画としては上位の興行結果だった。アジア人主演なら逆に20億くらいだっただろう)でゴレンジャーでも映画化すればそれなりに受けるんじゃね? と思う。
実際ゴジラがそうだ。
ジラと呼ばれ蔑まれている初代ハリウッドゴジラですら、日本版のゴジラ映画より遥かに売り上げたし、新規のハリウッド版は日本版では絶対に出せないような興行収入をたたき出している始末だ。
これは特に日本で顕著で、日本人の作ったゴジラ映画は子供だましの幼稚な映画(シンゴジラだけなぜか別枠扱いだが、白人主演じゃなかったので結局海外受けはイマイチ。もともと初代ゴジラ自体、白人主演に差し替えられてアメリカでは配給された結果、キングオブモンスターと呼ばれるほど人気となった)と馬鹿にされるが、ハリウッドで白人主演になった途端、そうはならない。
アベンジャーズもそう。コスプレクソ映画だが、オシャンティなハリウッド映画の仲間なのだ。イミフである。
そういえばウルトラマンをハリウッドでつくるとかいう話があった気がする。白人主演ならきっとそこそこ受ける。
好きな映画は何かと言われたら、猿の惑星とかガタカとかソイレントグリーンとかああいうやつで、荒唐無稽な映画は別に嫌いじゃない。ただ、奥が浅く、コスプレ感のある映画が、「映画」と胸を張るようなものには到底思えない。
そう、ダークナイトもそうだった。
絶賛されていたが、クソ映画だった。
元ネタがダーティハリーときいて、そっちを見たが、まあ、劣化コピーだった。劣化コピーなうえに、バットマンなんてヒーローものにしたせいで、コスプレクソ映画になっていた。
ヒース・レジャーも死んだから絶賛されただけで、怪演とも思わなかった。よくある演技じゃない? 方向性は違うけど、藤原竜也のキチガイ演技の方が好きだな。
日本の映画通も絶賛していた。おまえら本当に映画通なの? と思った。映画通ではない私ですら、あれはクソ映画だった。同じく半可通の父もクソ映画と言っていた。
「バットマン」としては目新しかったのかもしれないが、「映画」としてはよくある内容の話だろう。あれが斬新だと思うなら、はるか前に製作されたダーティハリーを見たほうがいい。あれは傑作だ。
スパイダーマン以外で、ヒーローものの実写映画で何か面白いものがあっただろうか。邦画はどうか?
ザボーガーは意図的なクソ映画だからどうでもいいが、あえていうならキャシャーンはよかった。実験的な映画センスがよかった。ハリウッドの白人主演ならもうちょっと受けたかもしれない。
そうそう、話は飛ぶけど、X-MENではイアン・マッケラン演じるマグニートーがか弱そうなガチ老人だったのは斬新だった。え? 敵役これなん? と。マッチョのX-MENたちが老人をいじめるのかよ! と。
進撃の巨人やテラフォーマーズがコスプレクソ映画なのは論を待たないし、みんなそう思っている。でもさ、アベンジャーズだってコスプレクソ映画だよ。世界はそれにいつ気づくんだ? きづいているのは日本人だけじゃないのか?
鬼滅の刃が素晴らしい映画とは言えないが、コスプレクソ映画よりはマシだ。
正直、ハリウッドも劣化してるんじゃないのか。
ポンジュノ監督のパラサイトは前評判に違いない傑作だった。グエムルも傑作だったが、韓国映画は面白い。最近のハリウッド映画なんか見る気にもならない。
アベンジャーズが流行り始めてから劣化の一途だ。新作なら韓国映画、洋画見たいなら、古いハリウッド映画見た方がいいよ。
ただ例外的にディズニーアニメは面白い(実写と言わないのはSW789がクソオブクソだったからだ)。
子供をメインの対象にしているから、話は分かりやすい。しかし、大人の視聴にも耐えるようにできている。奇は衒わない代わりに、物語はしっかりとしている。
そしてなにより「アニメ」なのでコスプレクソ映画にならない。
アニメ自体のクオリティにしても、プリンセスと魔法のキスの作画に日本アニメが勝てるとは思えない。
なにせ掛けている金が違うから(プリンセスと魔法のキスが最後の二次元アニメだったようだが、残念である。3DCGはあまり好きではないんだ)。
私は世界が早くアベンジャーズなんて「コスプレクソ映画」だと気づき、資金がまともな映画にいくことを願っている。ロバート・ダウニー・ジュニアの出演料に100億も支払うなんてもったいない。
金ドブ以外の何だっていうんだ?!
100億あれば、高品質の映画が3本は作れる。
ロバート・ダウニーは最初のアイアンマンで来日したとき、知名度が低すぎて入管で足止めを食ったらしいが、いまでもそうだろうな、と思う(ジャスティンビーバーだって、電通なんかは必死に流行らせたかったみたいだが全然流行らなかった)。
私が入管なら、まあ気づかないだろう。外人は同姓同名が多いし。
ロバートは、正直、演技もうまくないし、どこにでもいる白人にしか見えない。
日本では「アイアンマン」が受けているのであって、「彼」が受けることは未来永劫ないであろう。日本で受けるには、ディカプリオとかトム・クルーズみたいなのを連れてこい。